通常の歩行は、左足と右手を前に出したら、次は右足と左足を前に出すようにして、それを交互に繰り返して歩きますが、
ナンバ歩きとは、左足と左手(左肩/左半身)の同側が前にでたら、次は反対の同側である右足と右手(右肩/右半身)を前に出すことを、交互に繰り返して歩くものです。
陸上の末續選手から広まって、言葉を耳にしたことのある人もいると思います。日本古来の歩き方ともいわれ、着物や草履/下駄を身につけていた時代の人は、こうした歩き方であったとされます。
よく子どもの運動会の行進などでは、同側の右手と右足をいっしょに出している子もいます。さらに年齢をさかのぼれば、歩き始めた赤ちゃんのヨチヨチ歩きはこんな感じであり、体の使い方からしたら、実は理想的な歩き方だったりします。
ナンバ歩きは、それ自体が体幹のトレーニングとなり、疲れにくく長時間歩ける/腰痛や膝痛の予防/基礎代謝のアップで太りにくくなる、とされます。
また、体の軸(感覚/意識)という側面からも、ナンバ歩きのメリットがあります。
体の中心軸(正中線)というものがあります。中心軸が正しくあれば、それを境界に左右を均等に使えたり、左右のズレを認識しやすいですし、中心軸が強く安定している人ほど身体的にも精神的にも強くいられることができます。
【それと左右半身にもそれぞれに軸があることも重要です。左右の軸がしっかりしていれば、接地している足を安定させることで、反対の足をスムーズに動かせます。】
また、全身にある筋肉の多くは、縦(前後)の動きに関わっています。横(側屈)や捻り(回旋)の動きは、縦の動きを行う強い筋肉によって支えられます。
そのため、通常の歩行では正中の中心軸は意識できるかもしれませんが、手と足により体幹を捻る動作がなされます。こうしたことで、左右の軸が弱いとただ歩いているだけでも腰に負担をかけている人もいるのです。
実際には”軸感”という感覚をもっているのがよいのですが、歩くことに限らず、軸という支えがあるから、体は余計な力を入れる必要がなく脱力できたり、ムダな体力/エネルギーを消耗せずに済むのですね。
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