哲学的な考え方として、”子供レベルの極端な屁理屈でもいいから、まず最悪なケースを想定し、それを乗り越える考え方を探す”、というのがあります。
ニーチェは”永劫回帰(えいごうかいき)”といって、「宇宙全体が永久に同じことをくり返し続ける世界である。それは何千億年や何千兆年の周期かもしれないが。」としています。
これは人生のことだとしても、”これまでの人生をこれからも無限にくり返し、そして生きていかなければならない”、ことであり、そのなかには苦痛もあるし快楽もあります。
しかし、同じことをくり返しているだけなら、唯一性や一回性のような価値が失なわれ、”生きている意味・人生の意味”もなくなってしまいます。(死ぬことにも意味がなくなります。)
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こうした永劫回帰の人生を前向きに生きていく方法は、「今この瞬間を力強く肯定して生きる」ことです。(そうした人を超人といいます。)
それは、「お茶がおいしかった」「歩いていて風が気持ちよかった」「友達とのおしゃべりがたのしかった」のような”些細な瞬間”を感じることでいいのです。
さらにいうと、”体を意識する”ことは今この瞬間を感じるには重要ということです。例えば、足裏の地面との接地・呼吸・手触り・重さなど感じることです。
基本的に人間の思考は、過去・未来を考えますが、それらは現実の存在ではありません。(実存哲学は、ありもしない非現実なものに振り回されて不幸になるのはやめよう、です。)
しかし多くの人は、体の感覚などに気づけずに、うっすらとぼんやりとした霞がかった意識だけで毎日を生きています。
つまり、今この瞬間に起きていることを見逃して、脳の(頭で考えた)世界で生きてしまっています。
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