患者さんA「『ここが原因だから、悪く(不調に)なっている』と他院で言われた」・・・(私)なんで原因分かっているのに、改善してもらわなかったのですか?
患者さんB、自身の体をみて「これが原因で不調を来している。だから、そこを改善してほしい」・・・(私)言われたその部位を施術してみる→症状は改善していかない。
毎日の施術をしていると、以上のような場面に会うこともあります。しかし原因が何かとは、そんな簡単に分からないものですよ。
不調を抱えた体では、間違った体の使い方を繰り返しているため、そうした誤作動の集合のような体から原因を当てることは難しいものです。原因は愁訴/症状から類推するしかないのですが、誤作動の要因には交感神経の過剰な働きが関わっていて、類推することも難しくなります。
体側からしたら、不調のある悪い状態だとしても、体の安定状態を保とうとしているために、崩されたくないわけです。
そのなかで原因は隠れていることがほとんどで、簡単には表面化しません。仮に原因部位を触られたとしても、原因だと分からせませんし、守っている強い緊張が崩されてもすぐに復活させたり新たに強い緊張をつくります。
体もバカではありませんから、「整体師ごときに体のバランスを変えられてたまるものか」と言われている感じです(笑)。
原因そのものが隠れているうちは、それは施術の対象とはなり得ずに改善もできません。交感神経の過剰な活動を抑制したり、体の機能を正常化していくなかで、原因が浮き出てくる感じです。
ある患者さんの例だと、頭や肩の重ダルさが抜けないという人で、施術を繰り返し行っていました。こっちがよくなったら、そっちが気になり、そっちがよくなったら、あっちが気になり、で根気よく続けていきました。
あるときに背中を施術していると、その患者さんが泣き出したのです。今まで仕舞いこんでいた幼少期のツラかった過去が思い出され、涙が出てきたとのことでした。そしてそれ以降は、頭や肩だけでなく気持ちもすっきり過ごせているようです。
この場合は、ツラかった過去のトラウマが原因となっていたのですね。そのトラウマを体が必死になって封じ込めて、それが不調につながっていたのでした。
本人のなかでは、忘れることに成功した過去であり、そのために気づくこともできず、それが原因とは分かりようもありませんね。
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