私たち人間の体や脳は、進化の過程で複雑な作業を行えたり高度な知能を有するようになってきたとされます。
しかし、現代ではいろんな情報や刺激が溢れかえっていて、脳も体もそれらについていくことが大変であり、また処理しきれずに体を壊してしまうこともあります。
人間の体の複雑さもあり、生活環境の複雑さ/忙しさもあり、自分が何をしたい/何をしているのか、よく分からないままに過ごしてしまうことも出てきてしまいます。
そこで、動物の生活を見てみるわけでありますが、動物は本能で生きています。快・不快の感覚が敏感であり、生活や行動も快感覚を基準としてなされます。
たとえば休むといっても、ただ休んでいるわけでなく、捕食や逃げるといったときに必要な体力を蓄えていれるように、目的のある休みをしています。
そうした単純ではある動物の行動ですが、人間も生物の本来や自然界に従うこともあっていいのではないでしょうか。
といったところで、動物の行動に関する本を読んでみたわけですが、
・・・ネコ(猫)、
ネコは身近にいる動物だと思う人も多いと思いますので、話に取り上げてみます。
ペットとしてのネコの歴史は、今から5000年以上前のエジプト、または9500年前のキプロスともいわれ、人間と極めて関係の深い動物であるとされます。世界的な飼育頭数ではイヌを圧倒しています。
そんな多くの人間を魅了するネコですが、決して人間に対して従順ではなく、人に飼われながらも、常に野生を秘めているのです。
・目をじっと見つめてくるネコは愛くるしいですが、ネコはそのとき「こいつには勝てる」と思っているのです。「勝てない」と思った相手には、ケンカに発展しないように目をそらすのです。
・人に身体をこすりつける行動は、甘えているのではなく、人に臭いをつけています。自分の縄張りの一部であると主張しているのです。
・捕まえたネズミや魚を持ってくることがありますが、これは余裕のあらわれで、獲物をとれない非力な飼い主に分け前を与えようとしているのです。
・ネコは死の間際にどこかへ行ってしまうといいますが、弱くなった自分が敵に襲われるのを防ぐためであります。
・一度いなくなったネコが戻ってきたとしたら、それはいろんなところを探しまわった結果、いちばん安心できるのがそこであったということです。
このようにネコは自分のスタイルを崩さないあまのじゃくであり、しかし憎めない愛らしさがあります。
八方美人とは、人の顔色をうかがい愛想をふりまくことをいいますが、誰からも好かれようとすれば、結果的に誰からも嫌われてしまうこともあります。
ネコから学べることは、好かれようと取り繕うことではなく、自分のスタイルを持つことが大事であり、自分らしくがいいのです。
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参考:麻生羽呂/篠原かをり著「動物が教えてくれる競争社会で生き残る方法」
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