施術一回の時間についてですが、長時間受けるとその分効果が得やすいかというと、そうでもなく、患者さんの体力によるところがあります。(もちろん施術の精度も関係してきますが。)
施術で体が変化することについて、”消失”するか”定着”するかがあります。
以前の状態に戻ろうとする働き(恒常性)が強いと変化は消失します。また、施術の方向性は間違っていなくても、その時の患者さんの体にとって大きすぎる反応では、体は変化を拒否します。
一方で定着=体が受け入れるのは、【受けていて心地よい】【違和感であった部位を理想的に改善された】【無意識に体が望んでいた変化であった】などの場合であり、定着していきます。
そして、よい方向への体の変化の定着をきっかけに、体の機能や感覚が向上し、その状態を患者さん自身が活かせる(自身のものとする)ことで、【本来の自然な動き】【疲れが蓄積しづらい】【疲労回復が容易】な体になっていきます。イメージは仕事のやり方を教わるだけでなく、実際に仕事上で使えるようにしたり応用できるようなものです。
ただし、そうした施術の刺激に対して、その患者さんの体力のなかで反応できる限界はあります。仮に施術を一度で6時間受けたり、毎日受けても、体力がないと状態が改善していきません。
また、刺激を受けて変化すればよいというのでなく、そこから変化を受け入れ、体に馴染んで定着する期間が必要です。こうしたときは今までと違った体の状態ですから、目に見えないところでも体のいろんな変化が起きていて、一時的に不安定状態で、多くの体力を使うことになります。
さらには、よくしたいところがあっても、体はまずキズの浅いところだったり、悪いところが表面化している部位からの改善を優先します。その場だけの体力が必要ということでもありません。
ストレス社会である現代は、日々の生活や仕事において体力を消耗してもなお動き続けないといけないことも多いです。そうした体力や疲れの回復はなかなかしきれず、さらに施術の刺激となるとそれに反応するだけの力はなくなってしまっています。
以上のような体力の面から、施術は長時間や毎日受ければよいというものでもなく、また日常で充分な睡眠をとり疲労を回復しておくことは重要です。
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