普段の生活において体を使って動いていれば、「肩が痛い」「腰が疲れた」のように疲労が溜まります。反対に「今日は調子がよい」「体が軽くスムーズに動ける」といった日も出てくることになります。
ただし、それは現状のバイオリズムのなかでの「調子がよいか否か」なのです。言い換えると、肩こりの人は肩に負担をかけている体での、今日は「肩がラクかツラいか」の話です。
ここから説明していく【体が変わる】とは、肩こりや腰痛を必要としないような「体の使い方/システム」が変わる、もっと言えば、体が変わることでその人の考え方や性格自体さえも変わる、ということです。
とはいっても、「どうなっていったら良い体なのか」のイメージはなかなかしづらいものです。仕事などでも、上の立場になってしまえば部下の仕事まで分かるが、下の立場の人は上の仕事までは分かっていないようなことですね。部下からしたら、今やっている仕事でいっぱいなのです。
施術においては、患者さんにとっても施術者にとっても、体の未来イメージがはっきりしているほどに、より高い体の機能のイメージであるほど、患者さんの体の反応もよくなりやすいです。また、施術者のイメージを超えた体にすることはできません。
そこで、【良い体とはどういう状態を目指すのか】理想の体のイメージを7つあげて、図(絵)にしてみました。
これから7イメージをあげていくのですが、図(絵)の左が悪い体、右が良くなっていった状態です。そして、番号が後の体のイメージほど段階が進んだ状態です。また、各イメージと関連するリンク(過去の記事)を付けました。
1、上虚下実
お腹に力が入り安定した下半身と余計な力が抜けた上半身。木の根っこのようにどっしりと踏ん張れる足と、風になびいている枝葉のような柔らかい手腕。
男子トイレから女子トイレのマークの体へ(笑)。三角形は体を表していますが、逆三角形だと安定せずにフラフラしてしまいます。三角形では、しっかりと地面に接地できる安定感があるため、上半身は余計な緊張をつくらなく脱力できます。
2、流れ・繋がり
緊張度が部位毎に異なり身体の流れが途切れるのか、全身の緊張度が揃っていて身体の流れがある状態か。
瘤(こぶ)だらけの絡まった紐の、絡みがほどけていくと蛇のようにニョロニョロ動ける感じです。全身を使えて、負担も局所でなく全身に分散できます。
3、骨で立つ
骨の構造に従って、骨の上にただ骨が乗っかるだけ。
図の左の体では、支えがないと不安定になり立っていられなくなります。その支えというのが、筋肉の余計な緊張を作り出します。
4、部品数
一本のかたい棒状の背骨か背骨一つ一つの感覚があるか。箱のような一つの塊のような骨盤か部品数が増えた骨盤。
ここでは背骨と骨盤を例にしましたが、背骨と骨盤の話に限らずに部品数が多いと、それだけ細かい仕事ができるようになります。精巧緻密な体の機能が発揮できるのです。一つの塊だと、しなやかさもありません。
5、軸感
自分の体にスウッと真っ直ぐな棒がある感じ。ちょうど団子(-○○○―)のように、突き刺さった串がある。
力が抜けていっても溶けるイメージだと、その体を支えるために逆に不要な緊張をつくる。軸があるからこそ、その軸を拠り所として安心して脱力できる。
6、角が取れる
トゲトゲ体ではある部位(凸)が刺さったり、別のある部位(凹み)はどこにも当たらなかったり反応しなかったりと、チグハグな体の使い方のイメージ。
よく「感覚がいい人」といいますが、それはある対象に対してということが多いです。トゲトゲ体のトゲの部分が敏感に反応してしまい、本来は不要な緊張となっているのです。だんだんと「角が取れて」いくと、あらゆる物事にいちいち反応しなくてもよくなります。
7、三態
物質の固体・液体・気体を三態という。動きが止まっている固体、内臓も運動器も全身の緊張度が揃っている液体、自分の外の環境とも仲良くなる気体。
まず固体のガチガチの体から、流動性のあるからだになってきます(2、流れ・繋がり)。そして、気体では自分の周囲の「環境も自分」となります。周りが楽しければ自分も楽しいし、周りが悲しければ自分も悲しいわけで、人に優しく人を傷つけない、のが理想です。トゲトゲ(6、角が取れる)のようでは、簡単に人を傷つけてしまいます。
まとめ
【変化のない停滞状態は不自然であり、変化のある状態が自然な体】という考えがあります。施術を受けて体を変えようとする時の、体が変わるイメージを持ってみれるといいですね。
また、日常でいろいろと体を使ってみれるといいですが、その際にも理想の体のイメージで動いている意識があると(まだ実際には理想的にうごけなくても)、今までと違った動きが出てきたりと、より自身の体への興味につながります。
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