目のみえないカバ

普段の仕事や生活に忙しいという人は多いものです。仕事に熱中しているという感じだと、”ゾーン”に入っているようで、いろいろとうまくいったり、しかも周りを見えていて、そのまま突き進んでいっても順調にいくものです。

しかし、仕事に追われているという感じだと、周りが見えずに、自分一人の世界となりがちで、一つミスをするとそこから悪循環に陥り、ミスが続いてしまうような、”泥沼”にハマってしまいます。

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“目をなくしたカバ”という話をご存じでしょうか。

ある一頭のカバが川を渡っているときに、自分の片方の目をなくしてしまいました。そこでそのカバは、川のあらゆるところを探しまくるのですが見つかりません。

その間、川岸の鳥や動物は「少し休んだほうがいい」と言いますが、目を永遠に失ってしまうことを恐れるカバは、聞く耳を持たず、休むことなく探し、とうとう目は見つかりませんでした。そしてカバは疲れはててその場に座り込んでしまいました。

しかし、カバが動かないでいると、かき回されていた川の水は、泥が沈み、底まで透き通って見えるようになりました。ここでカバはなくしてしまっていた自分の目を見つけることができたのです。

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私たちは毎日の生活で”心を静かに落ちつける時間”や”ぼんやりとする時間”が少なくなっているものです。ちょっとした時間があれば、スマホの画面を開いて時間を潰すという人も多いと思います。そうしたことで常に頭が働いていて休まらず、忙しい状態が続きます。

最近となっては、出勤前の朝の時間をコーヒーを飲みながらゆっくり過ごしたり、瞑想・座禅を行ったりなど、自分の時間をつくるという話をよくきくことがあります。(私の場合には、座禅・立禅をしたこともありますが、普段は夜の公園でぼーと涼んでおります。)

そうしたことで、自分自身の置かれている現状を俯瞰できたり、まわりの声にも気付くことができたり、また自分の気持ちを落ちつかせることになるのですね。

禅語のなかには、「七走一坐」や「一日一休」という言葉があるそうです。たまには一度立ち止まってみて、自分を見つめたり省みることが大事ということです。

参考:戸田智弘著「座右の寓話」

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。