ニーチェ1で、人間は”現実の存在”であり、見たり触れたりできない非現実のものに振り回されて生きることはやめよう、ということでしたが、末人となってしまいます。
末人は、弱者が強者に対して持つ嫉妬心や恨みという”ルサンチマン”を生じさせることとなります。
そして、みじめな結果を受け止められないから、無理やり架空の価値観をつくりだすことで、現実から目を背け、自分を満足させています。
これは、”すっぱいブドウ”の話でいうと、キツネガ高いところにあるブドウを取れないことで、ブドウを食べられずに、あのブドウはすっぱいから食べなくてよかった、というようなものです。
(「生きていても意味がないから、死のう」というのも、死に非現実である意味を見出だしているものです。)
人生としっかり向き合うことは、みじめな結果だとしてもそれを受け入れることです。そのために自分自身や人生に絶望します。しかし”まっすぐ生きる”ことは、自分自身の本当の気持ちを受け入れることが大事です。
こうして、今まで大切とされてきた物事の意味が失われた世界でも、前向きに生きていける哲学をニーチェはつくろうとしました。これがニーチェの代表作である「ツァラトゥストラ」です。
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