体の重み

今回の”体の重み”の話は、全身の力を抜いていて足を強くしようとしている方や、足の感覚が強まって重心が下がってきた方はイメージしやすいと思います。

まずは、筋肉(運動器)への施術で、全身の力を抜いていき、全身の筋肉の緊張度を揃えていこうとしています。このことは、交感神経の過剰な働きを抑制させることであり、またこれから内臓を活性化させていくことにもつながります。

体が緊張している(力が抜けない)状態では、交感神経の過剰な働きにより、不要な緊張・動きづらい・負担がかかって痛みが出るなど引き起こしてしまいます。

だんだんと緊張が取れてきた方は、以前と比べて”ラク”と感じれていると思います。体の回復力自体も向上してきています。今までは気にならなかった部位が気になり始めたという方もいるでしょうが、それは隠れていたものが表面化してきた状態で、繰り返し緊張度を揃えていきます。徐々に体本来の自然な状態に近づいてきていますよ。

ここで、足部に目を向けてみると、ズシンと重みを感じられます。交感神経の過剰な働きが抑制されてきて、体が弛緩・脱力できてくると、体の重みを感じられるのですね。

これは介護や看護の仕事で介助をしている人はイメージしやすいのですが、例えばベッドからおじいちゃんを起こすときに、おじいちゃんも立とうという気持ちで体に力が入れば、軽く立ち上がれます。しかし、おじいちゃんが寝起きでまだ体に入らないと、おじいちゃんの体はとても重いと感じます。

そうして体が弛緩するほど、さらに足部は重みを感じます。「体って結構重い」という実感が出てきて、鉛のような重さの足の感じで、動くのもダルいと思うかもしれません。

しかし、こうして足部で重みを感じられることが重要で、足部は重みを感じられるほどに活性化し、その機能を発揮させられるからです。

そうした体では、体の土台としてしっかりしてきた足と、今までの安定した緊張が崩れた不安定な上半身となり、体が上下で分離しているような感覚が生じます。

私の場合は、重心が下がりたいのに落ちきれない、上半身は力が入ったり抜けていたりとはっきりせず、またお腹の中身が抜けたような何もないという感覚でした。

そうなってくると、体が重力に従うこととなり、足部の安定が上体につながっていくこと(連携)を目指せるようになります。【お腹に力が入る】【軸】【スムーズな動き】などはまだまだ先です(笑)。

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。