内臓の動き

筋肉などあらゆる運動器は、まずは内臓を守ることを最優先とし、そのなかで動くこととなります。運動器は、内臓状態を無視して自由に動けないということですね。

これは、体に生じる問題は内臓の問題によるという視点で、逆に言えば、内臓がしっかりと働くことができれば体全体も正しく機能する、といった考え方です。

ここでの内臓については、内臓そのものの機能ではなく、内臓の(物理的な)動きを改善していく話とします。

この内臓の動きとは、例えば前屈したときにただ内臓が潰されてしまうのではなくて、各臓器は互いに位置関係を変えることで、前屈したときの力を分散できることが理想です。

限られた空間にある各臓器は、体の動きに対して互いに位置を譲り合い、そのなかで機能していくことになります。

また、足が着地したときの振動が内臓へ伝わるというのも、物理的な動きですね。

そうした動きを内臓が受け取れていると、内臓そのものの生理的な活性化にもつながるのです。

簡単にいうと、各臓器間には水(漿液<しょうえき>の循環)があり(水の中に臓器がある感じ)、互いが滑るようになっていて、互いの臓器の動きが干渉しないようになっています。

しかし、悪い体になっていくと、臓器間の隙間に水の循環がなされず、各臓器は動きの自由を失い、互いに干渉し、生理的な活性も低下、それが運動器の機能にまで影響してしまいます。

こうした状態が続くと、内臓同士の癒着となります。(施術で扱える癒着は、もちろんレーザー手術を用いるレベルの癒着ではありません。)

内臓の動きの低下や漿液の循環の低下により、各臓器が密着した状態が長期化すると、臓器そのものやその一帯の組織が機能低下します。そしてそれが安定状態となり、癒着へとつながります。

各臓器間の正常な隙間をつくり、循環を促進させ、内臓の動きが改善していくと、体は本来の自由な動きを取り戻せるようになります。

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。