強圧

施術の押圧でよくきくのは、「強くないと効かない」「できるだけ強めがいい」「弱いとやられている感じがしない」などで、今回は強圧についてです。

まず”ウェーバー・フェヒナーの法則”といって、「人間の感覚の感じ方は、刺激の強さの対数に比例する」法則があります。

分かりやすくいうと、10の圧から15の圧になったら強くなったと感じられる人がいます。しかし、強い刺激に慣れている人は50の圧から同じように5増えて55の圧になっても、強くなったと感じにくいのです。

そういった人は、同じように1.5倍の強さである75の圧にならないと強く感じられません。そのため、刺激が強くなるほど強さの変化を感じにくくなるのです。

よく施術で用いられている押圧は”体重圧”です。体重の重い施術者ほど強い圧となります。しかし、強い刺激を欲す人は、いくら体重の重い人の施術を受けても、足りない刺激となってしまいます。

そして、強圧というよりは自身の体を潰されているようなものですから、知らないうちに内出血をしていたり、肋骨を骨折してしまったという話をききます。

そこまではいってなくても、強い刺激で体が軽くなったという場合は、背負っていた重いリュックをおろしたときの肩や背中が軽くなったという感覚と同じです。

体のバランス自体はよくなるどころか、むしろ繊細な体の感覚が低下して、自身の体を壊すことになりかねません。

ただし私の施術時は、体重圧ではありませんが、強圧を結構用いております。患者さんの体を潰すことはもちろんしないようにしますし、そういった押圧では私自身も指や肘など壊してしまいます。【押圧の力を安定させる】【患者さんの体も私も全身の緊張度を揃えたい】【自然な力の流れにしたい】という意味で強圧を用います。

ちなみに触れているかどうかのような弱圧については、体が無軌道に変化しやすく、コントロールが難しいもので、相当な熟練施術者が行います。

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。