本能で行動するか、理性で行動するか、ということでいうと動物は本能で行動しているものです。
人間では、その行動に本能も理性もどちらも働きますが、人によってより本能で動いているか、より理性が働いているか、違ってきます。どちらがよいかというのではなく、双方の程度・バランス関係です。
本能と理性という言葉を辞書で調べてみると、
【本能】動物個体が、学習・条件反射や経験によらず、生得的にもつ行動様式。帰巣本能・生殖本能・防御本能など。
【理性】本能や感情に動かされない。
とされています。
簡単にいうと、本能は体が自然と動いている、理性は頭で考えて動く、ということでしょうか。
当ブログでは、これまでに”体の自然な働きを取り戻していくには”のような記事が多くなっております。しかし、これは本能がよくて理性がよくないということではありません。
現代人の体の意識の希薄化や頭ばかり使っていることで、本能・本来の自然な体の働きが失われてしまっていることで、不調につながっていることが問題なのです。
理性については、人間が人間らしくいられるため、社会生活をおくっていくためには必要なのです。
人間の額(ひたい)はチンパンジーやゴリラなどの類人猿と比較すると、広く大きくなっています。これは、人間の脳の前頭葉が大きいからです。そして前頭葉の大部分は、前頭連合野というもので占められています。
この前頭連合野では、人間らしい感情がつくらており、感情をもとに行動するかしないかといった意思が形成されます。
感情は、人間社会のさまざまな関わりのなかで醸成されます。そして、感情を適度にコントロールして、社会生活を安定感に送れるのです。
こうした社会経験をもとにつくられた人間らしい行動は、脳内に形成され”理性”といいます。
理性は「人に迷惑をかけない」「人を殺してはいけない」などの正邪の判断基準となるものです。しかし、小さい頃から理性が備わっているわけでなく、家庭・学校・職場・社会での経験が必要です。
以上のようなことから、本能だけでなく理性で行動することもとても重要なことといえますね。
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参考
・よくわかる生理学の基本としくみ(當瀬規嗣著)
・goo辞書(https://dictionary.goo.ne.jp/)
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