逆立ち

手(肘から先)には、27本(個)の骨があります。その分関節数も多くなり、何かものをつかむときには、そのものに合わせることができ、またものからの力を分散させることもできます。

(足も外部と接する部位で、骨の数が多いために地面の凸凹に合わせられ、力を吸収可能です。足のはたらき)

しかし、骨の数(関節の数)が多いということは、それだけ歪みだったりズレやすいことでもあります。

足の場合には地面に着いていることで、しっかり立てている/立てていないや、見た目がO脚などで歪みに気づけますが、手は地面に接地などなしに自由となっているため、歪んでいても気づきにくいものです。

これは歪んでいる力を各部で打ち消しあってバランスを取ろうとしているためで、見た目には歪みが分かりにくかったり、日常でも手を使えているために手の歪みに気づきにくいのです。

また、例えば肩こりの人が肩だけおかしくなっているというケースは少ないほうで、全身でバランスを取っていますから、手も歪んでいることがほとんどです。

“手先だけで動いている”と言ったりしますが、ほとんどの人が手根部を緊張でかため、前腕を使わずに、動きの大きな手首に頼って手を使っています。

手は骨の数が多く複雑な動きが可能な部位であるにも関わらず、歪んでしまうとさらに複雑化しすぎるために、特に手根部を緊張でかためて動作を単純化します。そのため、手根部などはかたいという感覚の人は多いと思います。(理想はやわらかくなっていることです。)

さらにいうと、手は脳のはたらきとも密接につながっていると言われます。仮に手の歪みがないとしても、脳が興奮していると、それが手に反映され、手が相応に緊張や歪み(捻れ)をもちます。

(ここに関しては、取扱うことが難しいとされますが、手を変えていくことから脳のはたらきを調整することも可能ということです。)

体の機能を向上させていくことはなかなか難しさもありますが、以上のことから手の歪みをみたとしても、改善は手強い感じです。

そこで、当記事のタイトルにある”逆立ち”が出てきます。逆立ちのいろいろな効果については、詳細に書いてあるサイトがいっぱいあるので、そちらにお任せしますが(笑)、

手が自由に歪み放題になっているのであれば、足のように接地してしまえばいいわけで、手をついて逆立ちをしてみるのです。

普段から逆立ちをしているという人は少ないと思うので、壁に寄りかかっても10秒やるだけでキツくなりますが、

手だけで自身の体を支えようとするために、手首に頼っていては支えきれなく、腕の一体感が必要となります。逆立ち後に手をグーパーと動かしてみると、手先(指先)だけでなく、肘から先の全部を使っている感覚があると思います。(逆立ち前のグーパーの感覚を覚えておくといいです。)

手の歪みを完璧によくするのは難しくても、(肘から先の)手の一体感だけでも感じてみれるといいですね。たまには変わった体の使い方という意味で逆立ちをしてみるのはいいと思いますし、ただしその日の体調やまわりの安全を確認してから行ってくださいね。

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。