運動と骨

施術を受けた方から、私の大学時代の研究について興味を持っていただいたので、今回はその研究のことを書きます(研究論文自体は難しい単語ばかりのため、ここではできるだけ分かりやすく説明します)。

研究テーマは「運動と骨の関係」で、運動は骨の構造や機能にどういった影響をもたらすか、です。簡単にいうと、運動(やりすぎた運動)は骨を丈夫にさせるのか、ということです。

結論をいうと、運動のやりすぎは骨を丈夫にするどころか、もろくする可能性がある、というものに至りました。

研究内容

背景・きっかけ

健康のために運動はいいですよ、といわれますが、実際に多くの研究で、適度な運動は骨を丈夫にするとされています。

逆にまったく運動しない(寝たきりなど運動できない状態を想定)場合の研究では、骨はもろくなる、とされています。

では、やりすぎた運動はどうなのか、ということで、研究をはじめました。

内容

ネズミにジャンプ運動をしてもらって、そのネズミの加重がかかりやすいスネの骨(脛骨)を研究の対象としました。

ネズミを、通常飼育(強制的に運動させない)/毎日適量と思われる運動をする/毎日運動やりすぎ 、の3つのケースに分けて2週間後の脛骨を比較しました(顕微鏡レベルです)。運動やりすぎというのは、ネズミがジャンプできなくなるほどのジャンプ回数です。(倫理審査の承認を得ての研究です。)

わかったこと

適度な運動と思われるネズミの脛骨は、通常飼育と比べると、運動負荷に耐えるように、2週間で丈夫につくりかえられていく様子でした。

運動やりすぎのネズミの脛骨は、比較対象のなかでは一番の骨の太さとなりました。しかし、運動負荷に耐えるようにというよりは、ただ骨量を増やしているだけで、丈夫であるとはいえない、という推察となりました。

簡単に研究をまとめると、運動のやりすぎは骨の強さをもろくするのではないか、ということです。

―――普段体を動かそうとするときは、気持ちよさを感じながら、無理せずに運動できるといいですね。

整体においてですが、骨というのは体を支える・形状をなす基礎です。しっかりと安定した体となるには、骨の感覚を脳が正しく認識できるかは重要です。施術者として私自身がそういった感覚をもてるようになるため、まずはつま先立ちを続けていこうと思ったりするわけです。

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ぶちこふ
大学生時代は解剖学教室で骨形態の研究、査読論文執筆掲載。元日本解剖学会員、元健康運動指導士。 美容整体院での施術歴が長く、現在はフリーの整体師となり、日本古来の療術にハマっています。 技術・知識・人間性総じてまだまだ発展途上ですが、向上していくよう精進します。